Bitwig Addictive Drums2などでパラアウトが設定できないときの対処法
Bitwig Studio 5.3.12現在、Addictive Drums 2などのパラアウト可能な外部VSTプラグインをインサートした際、ミキサーパネル上でパラアウト設定が出てこない場合があります。そんな時の対処法です。
https://scrapbox.io/files/68878d0aeaf8f4e408749527.png
このようにAD2をインサートした際、ミキサーパネル上でパラアウトが設定できないことがあります。
参考に、パラアウトが設定されている場合は、下図のDrum Machineのようにトラック名の右上部分が切り欠きのようになります。右上の切り欠き部分をクリックすることでパラアウトされた各チャンネルのトラックを表示できます。
https://scrapbox.io/files/68878d79ae5c472e9a52055f.png
パラアウトが出ていない場合は、以下の操作を行うことでパラアウトできるようになります。
1. デバイスパネルのAddictive Drums 2で右クリック
2. 「不明チェーンの追加」 を選択
https://scrapbox.io/files/68878ed3afe2bab514e05646.png
「不明チェーンの追加」。Bitwig側が認識していないチェーン=各種パラアウト出力、のことかと。
AD2に限らず、パラアウト可能なプラグインなら同様の操作でパラアウトを設定可能です。
なお、この方法でパラアウトを出現させた場合、VST上で設定できる全てのパラアウトトラックが出現します。
ものによっては大量に出てくるので見づらいかも。
また、各パラアウトのエフェクトチェインはミキサー画面上でしか設定できません。しかもアレンジャーパネル上では見えません。
特定のパラアウトトラックを(あたかも)1つのトラックとしてアレンジャーでも表示したい場合や、ステムとしてオーディオ化したい場合は、次の方法で可能です。
方法1 パラアウトを新規オーディオトラックの入力信号にルーティングする
特に難しいことはせず、単に特定のパラアウトを一つのオーディオとして書き出せればよい、という場合に便利です。ステム化などに。
1. 新しくオーディオトラックを作る
2. オーディオトラックの入力を、(プラグイン名) Chains → 所望のパラアウト信号 に設定
https://scrapbox.io/files/688791e55a4b9e8caf542fd5.png
このままだと元の信号のPOSTが元のデバイスから出力されてしまうので、不要な場合はミキサーパネルから元のパラアウトトラックをミュートしておくと再生被りを防げます。
また、そのままでは再生しても新しく作ったトラックから音は出ません。再生や書き出し時はモニターをONにしてください。
方法2と比べるとルーティングの自由度は落ちますが、利点としてバウンスインプレイスが使えます。トラック上で無音のリージョンを作って Ctrl+B するだけで、欲しいところを素早くオーディオ化できます。
また、方法2より少し動作が軽いと思われます。
なお、二度手間でルーティングしているので遅延が心配に見えますが、バウンスについては特に遅延はないようです。
方法2 Audio Receiverでルーティングする
ストックデバイスの一つ Audio Receiver を使って、特定のパラアウトトラックの出力をルーティングする方法です。方法1よりも柔軟な操作が可能です。
1. 新しくオーディオトラックを作成する。(既存のものでも可)
2. トラックのデバイスチェインにAudio Receiverを挿入し、sourceをパラアウト信号に設定
注意として、オーディオ化したいときは「バウンス」かつ「プリエフェクト以外」を選ぶ必要があります。Audio Receiverはあくまでエフェクトとして音を出すので、エフェクトチェインより後の出力を書き出す必要があります。
※バウンスインプレイスは「入力」をオーディオ化するもので、エフェクトチェインを通りません。方法2でバウンスインプレイスすると無音が書き出されます。
この方法はいろいろ応用が効きます。FX Layerで複数の信号を1トラック上でまとめるなど、自由度が高くクリエイティブな操作ができそうです。